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特定調停とは

裁判所の調停委員を仲介役にして、債務の弁済方法につき債権者と協議することです。

裁判所を舞台に交渉する点で任意整理と異なります。取引履歴の提出を渋る債権者に提出命令を出せるなど、一定の強制力があるのが長所です。

しかし、協議が成立した場合に作成される調停調書には、判決と同一の効力があるので、調停内容に従った支払いを怠ると直ちに強制執行されてしまいますし、過払い金があることが判明しても特定調停手続きのなかでは返還請求できず、別途返還請求訴訟を提起しなければならない、などのデメリットもあります。

司法書士に依頼した場合に、特定調停を利用することはほとんどありません。任意整理で事足りることが多いからです。そういう意味では、専門家に依頼せず、自分で交渉をしたい方のための手続きであるといえます。

(例)伊東さん(仮名)の場合
負債状況(債権額は債権者主張額)
A社・120万円・取引10年
B社・60万円・取引5年
C社・50万円・取引3年

これまで毎月まじめに返済してきたが、利息ばかり払ってなかなか元本が減らないので、債務整理をしようと決意し、上記3社を相手方として簡易裁判所に特定調停を申し立てた(司法書士には依頼しなかった)。

1ヵ月後・・・調停期日@裁判所
調停委員に、債権調査・利息制限法に基づく引き直し計算をしてもらった結果
A社・20万円の過払い → A社との間で、債務不存在の調停成立
B社・30万円の残債務 → B社との間で、月額1万円×30回払いの調停成立
C社・10万円の残債務 → C社が強硬に一括払いを主張したため分割払いの交渉決裂。調停成立の見込みなし。
A社の過払い金20万円をどうするか・・・

特定調停の手続き内では返還請求する方法がないので、別途返還請求をしなければならばい。

C社の残債務10万円をどうするか・・・

当事者間で調停が成立する見込みがない場合に、裁判所の権限で強制的に解決をはかってくれる場合があります(民事調停法17条に基づく決定)。

(例)1万円×7回払いとする決定をするので両者これに従いなさい

17条決定に債権者から異議が出た場合は・・・調停不成立となり、以後は任意の交渉をしていくことになります。

よくあるご質問(特定調停編)

  • 司法書士に依頼した場合は何をしてくれるの?

    申し立て書類の作成はおまかせください。調停期日にも同席します。

    調停委員の引き直し計算が正確になされているか確認します。相手方の不当な主張が通ることのないようチェックします。

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